2007年6月8日金曜日

メガネと言うキーワードでレーシックを表示

「レーシック」という視力回復手術があるが、このキーワードで眼科クリニックが広告を出稿した場合、そこでサイトへ呼び込めるユーザーは「レーシック」という医療行為にすでに関心をもっているユーザーだ。しかし、なかには「メガネ」というキーワードで広告を出稿し、「レーシック」のページへ誘導を試みている眼科クリニックも存在する。なぜなら、「メガネ」というキーワードは、かなりの確度で視力が悪い人が検索していることが想定されるキーワードだからだ。この場合、検索ユーザーにとって「レーシック」の広告を目にすることが、「セレンディピティ」のキッカケになる可能性があると考えたわけだ。ただし、注意すべきはこうしたケースでは、ただ「セレンディピティ」を誘発するキーワードに広告を出稿しただけでは広告主の身勝手と受け取られるケースがある。広告主のサービスとキーワードの関連性が遠くなれば遠くなるほど当然クリックはされにくくなる。そこで、タイトル・説明文で、「探しているものとは違うが、こちらにも価値がある」と気付かせるだけの説得力が必要になるだろう。つまり、SEM でユーザーの「セレンディピティ」を手助けするためには、いかに検索意図を読み解き、ユーザーが気付いていなかった別の価値あるものとの幸せな偶然の出会いを演出できるかが問われているといえる。こうしたことができれば、一見マス広告とは違って「セレンディピティ」が発揮しにくいと考えられる SEM でも、ユーザーの興味がある世界を起点に、似ているが少し離れた世界に導くことができるのではないだろうか。